これから物流業界へ就職を考えている方やすでに物流業界で働いている方の中には、資格を取得してキャリアアップを目指している方も多いのではないでしょうか。

中でも物流・ロジスティクスのスペシャリスト「物流技術管理士」は、物流のシステム、設計、改革、分析、改善など、物資物流をスムーズに進めるための幅広い知識が身に付けられる資格として注目されています。

しかし、「物流技術管理士」の資格取得には認定講座の受講が必須で費用もかかりますので、取得するメリット、転職やキャリアアップにつながるのか…といったことが気になる方も少なくないでしょう。

そこでこの記事では、「物流技術管理士」の仕事内容や資格取得方法、メリット、物流業界でどのように活かせる資格なのかを解説していきます。

物流技術管理士とは? 

物流技術管理士とは、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会が実施する物流管理者および物流技術者に必要とされる物流・ロジスティクス全領域にわたる専門知識、マネジメント技術を習得する資格です。

物流のスペシャリストとして、流通業務や製造業務を行う企業の物流・ロジスティクスの部署で活躍できます。

物流技術管理士の仕事内容 

近年のEC市場の拡大により、自社内で多くの商品を保管・管理できない企業が増えています。また、「配送効率が上がらない」「工場にどれだけの在庫があるのか把握できていない」「輸送コストに無駄がある」など自社の物流に課題を抱える企業は少なくありません。

このような企業に対し、最適な改革プランを企画・提案するのが物流技術管理士の仕事です。他にも、自社の物流倉庫の現状データを分析し、物流のシステム、設計、改革、分析、そして改善と物流がスムーズに行われるような管理・改革を行うのも物流技術管理士の役目です。

拠点再編、センター運営・配送といったオペレーションの受託などを一括で請け負う3PLサービスにも物流技術管理士の資格を活かせます。

物流技術管理士資格を取得するメリット

物流技術管理士を取得するメリットは下記の5つです。

  • 物流の知識を深め仕事に活かせる
  • 物流のスペシャリストとしての知識やスキルを証明できる
  • キャリアアップにつながる
  • 実務経験豊富な講師陣から実務への応用についても学べる
  • 物流に関係する業種は幅広いため転職にも有利

資格を取得することで、物流の知識やスキルをお客様や会社にアピールできます。資格は一定の知識があることの証明となるため、提示すれば信頼度も増すでしょう。

また、物流技術管理士を取得するには「物流技術管理士資格認定講座」を受講する必要があります。実務経験豊富な講師陣の指導の下、専門知識や実務への応用なども学べますので、自分にはなかった視点が手に入り、視野を広げられます。

他にも、物流に課題を抱える企業は多いため工場や倉庫会社、商品のメーカー、販売会社、EC通販など、物流に関係する業種への転職でも有利になるでしょう。

物流技術管理士資格を取得するためには 

物流技術管理士資格を取得するには、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が主催する「物流技術管理士資格認定講座」を受講し、所定の試験に合格する必要があります。

この講座は、物流管理者および物流技術者として必要な物流の全領域にわたる専門知識とマネジメント技術を総合的かつ体系的に学ぶものです。この講座は、厚労省のキャリア形成促進助成金制度の対象講座に指定されています。

(2022年度の本講座はオンラインにて開催いたしますので、人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金) の対象外となると思われます。)

開催形式はオンライン+集合型で、研修地は東京・大阪・名古屋となっています。場合
よってはオンラインのみで開催されることもあります。

物流技術管理士 資格の概要】

資格名 物流技術管理士
資格の種類 民間資格
主催 公益社団法人 日本ロジスティクスシステム協会
資格認定について 講座を修了し所定の試験に合格した方に「物流技術管理士」の資格が授与される
受験資格 以下のいずれかの要件を満たしている方を対象
・物流に関する基本的な用語を理解している方(物流実務経験2年程度)
・「物流技術管理士補」の有資格者 
試験会場 東京、名古屋、大阪
受験料 ・日本ロジスティクスシステム協会会員   472,500円

・日本ロジスティクスシステム協会会員外  577,500円

受講内容 認定講座 カリキュラム

  • 第1単元:経営とロジスティクス
  • 第2単元:物流コスト管理
  • 第3単元:物流拠点管理
  • 第4単元:輸配送管理
  • 第5単元:包装技術
  • 第6単元:物流現場改善
  • 第7単元:総合演習I(グループ演習)前期客観試験
  • 第8単元:在庫管理とSCM
  • 第9-10単元:グローバルロジスティクス
  • 第11単元:物流アウトソーシングと3PL
  • 第12単元:ロジスティクスの社会的役割
  • 第13単元:総合演習II(グループ演習)後期客観試験
  • 第13単元:総合演習II(グループ演習)
  • 面接:1名15分程度の面接
  • 授与式

上記カリキュラムを20日間にわたって学ぶ

資格認定試験 ・客観試験:正誤問題、選択問題、穴埋め問題、計算問題等の形式で出題

・論文試験:講座で学んだ内容を活用し、5,000字〜6,000字の論文を作成

・面接試験:物流技術管理士専門委員会の委員2名との面接試験

合格基準
  1. 客観試験:18点以上/前期・後期合計30点
  2. 論文試験:24点以上/40点
  3. 面接試験:18点以上/30点
主催団体 公益社団法人 日本ロジスティクスシステム協会
JILS総合研究所
〒105-0022 東京都港区海岸1-15-1 スズエベイディアム3F
TEL 03-3436-3191

 

物流業界における物流技術管理士 

物流業界は近年のEC需要拡大によって「小口配送増加」や「人口減少などによる人手不足」が深刻化しています。物流業界全体が飽和状態となり、倉庫やドライバーなどひとりひとりの負担が大きくなっていることも問題視されています。

このような物流業界が抱える課題の解決策として、「物流システムの導入や最適化」「作業に特化した自動化」「AI活用による物流システムの効率化」など、サプライチェーンの各領域で発生する、輸送・保管・流通加工 といったロジスティクス業務を効率化することが求められているのです。

そこで活躍するのが物流の専門知識を持つ物流技術管理士です。物流の各機能に対する知識と改善を行えるスキルを活かし、様々な課題を解決に導きます。

今後もEC市場の拡大に伴い、物流に課題を抱える企業が増加していくことが予想されます。そのため、物流コンサルティングへのニーズが高まり、物流技術管理士への期待は大きくなっていくでしょう。

とはいえ、物流業界で活躍するのに必ずしも資格は必要ありません。物流企業で働きながら多くの知識を得て経験と実績を積むことも可能です。実際に、当社富士ロジテックグループでも物流技術管理士の資格を持たない社員が、物流ソリューションの提案営業やコンサルティングで活躍しています。

このように、物流技術管理士資格がなければ物流業界の仕事に就けない…活躍できないというわけではありません。

物流技術管理士 の資格は転職に有利?

物流技術管理士の資格を取り、キャリアアップにつなげたいと考える方もいるでしょう。

資格を持っていれば、物流に関する知識を証明できますので転職で有利になることは間違いありません。

とはいえ、前述したように資格がなくても、物流の提案営業や倉庫管理の仕事に就けます。

当社でも現在新たな物流スキームの企画・提案、物流センターにおけるマネジメント全般で人材を募集中ですが、応募に資格は必要ありません。

物流技術管理士の受講資格には「物流実務経験を2年程度有する者で、物流に関する業務に従事している者」とあります。物流技術管理士資格講座は、物流の現場ですぐに学んだことを応用することを目指しています。

資格や物流の提案営業にご興味のある方は、当社で実務経験を積みながら、知識やスキルを身につけませんか?当社では、各種物流関連の資格取得に関するサポート体制も整っています。

採用についてはぜひ富士ロジテックグループの総合採用特設サイトをご覧ください。

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