ロジスティクスオペレーション資格はロジスティクスオペレーション業務に関わる人を対象にした中央職業能力開発協会(JAVADA)が行う能力評価試験です。

課長・マネージャークラスを想定した内容となっていますので、転職やキャリアアップを目的に取得を検討している方も多いのではないでしょうか。

とはいえ、ロジスティクスオペレーション資格の情報は少なく「転職に有利?」「具体的な仕事内容は?」「取得方法や取得するメリットは?」といった疑問をお持ちの方もいるでしょう。

そこで本記事では、ロジスティクスオペレーション資格の概要や仕事内容、取得方法などを解説していきます。

ロジスティクスオペレーション資格とは?

ロジスティクスオペレーション資格とは、中央職業能力開発協会(JAVADA)が主催する「ビジネス・キャリア検定試験」の1つでロジスティクス分野に特化した資格試験です。

生産現場・物流現場で活躍するマネジメントに関する実践的な知識、さまざまな課題を主体的に解決できるマネジメント能力の育成を目的としています。

物流センター内での荷役・保管、流通加工・包装、輸配送管理など「ロジスティクス・オペレーション」業務を遂行するうえで求められる幅広い知識を習得できます。

対象者は以下のとおり。

  • 3級:実務経験3年程度の係長・リーダー相当職
  • 2級:実務経験5年程度の課長、マネージャークラス相当職

【試験概要】

種別

公的資格

試験内容

筆記試験

受験資格

特になし

等級

2級

3級

受験対象者として想定される方

2級:課長、マネージャー相当職を

目指す方

3級:係長、リーダー相当職を

目指す方

出題形式

2級:5肢択一40問

3級:4肢択一40門

難易度

低い

合格率

令和二年度

2級:50.3%

3級:48.8%

合格基準

2級:出題数の概ね60%以上に正答

3級:出題数の概ね60%以上に正答

費用

2級:7,700円

3級:6,200円

運営組織

【中央職業能力開発協会(JAVADA)主催】                         

ロジスティクスオペレーション資格を取得するメリット

運送会社・物流会社では、現場の管理者が育っていないという声も少なくありません。

ロジスティクスオペレーション資格は、国が整備した「職業能力評価基準」に準拠したロジスティクス分野唯一の公的資格試験です。

輸送・保管・荷役・包装流通加工などのオペレーション業務に必要な知識を得られる検定試験ですから、取得すれば物流業界で働く上で必要な知識や能力を客観的に証明できます。

また、資格取得の勉強によって、仕事への理解を深めることにも繋がるため現場の管理者を育成する上でも役立つ資格です。

大手企業では昇格の条件として取り入れているところも増加しています。年々受験者数は増えている注目の資格ですから、スキルアップやキャリアアップを目指す方に最適です。

異業種からの転職の場合、物流に関する事前知識を得るのにもおすすめ。実務経験はなくても物流の知識をアピールできます。

ロジスティクスオペレーション資格者の仕事内容

物流倉庫では、下記のように6つの機能があります。

保管

商品を適切な場所で品質を保持しながら保管

荷役

荷物の積み下ろしや入出庫、ピッキング・仕分け

輸送

商品を輸送機関で運ぶ荷役

流通加工

値札やラベル付け、袋詰め、小分け

包装

輸送や保管中に商品が傷まないよう保護

情報管理

商品や輸送状況を管理

ロジスティクスオペレーション資格者は、物流倉庫の機能(荷役・包装・情報管理など)に関する知識を活かし、倉庫内の作業を効率かつ適切に遂行するために物流センターの管理と運営をするのが仕事です。

また、倉庫に課題を抱えている顧客に対し、輸配送システムの構築や物流センターのレイアウト計画などを提案する営業職として活躍することもあります。

2級を取得すれば国際輸送に関する知識も習得できますので、海上輸送や航空輸送に関わる仕事で能力を発揮できることも多くなるでしょう。

ロジスティクスオペレーション資格を取得するためには

ロジスティクスオペレーション資格を取得するには、中央職業能力開発協会が実施する検定試験に合格する必要があります。

受験申請の方法は、「個人による受験申請」と「企業(法人)による一括受験申請」とがあります。個人で申請する場合は、申請受付ページから可能です。

受験資格は特になくどなたでも挑戦できる試験です。

試験内容

2級

  • 輸送包装の適正化・標準化
  • 輸送包装設計と輸送包装技法
  • 物流センターの管理と運営
  • 輸送機関の特性と選択
  • 代表的なユニットロードシステム
  • 物流拠点計画
  • 輸配送システムの構築
  • 国際輸送
  • 社会への適合                 

3級

  • 包装
  • ユニットロードシステム
  • 荷役・MH
  • 保管
  • 荷役機器および保管機器
  • 物流拠点の基礎知識
  • 輸送
  • 輸配送システム
  • 国際輸送
  • 約款と物流

独学でも十分取得可能な資格ですが、民間の講座を利用する手もあります。市販のテキストや中央職業能力開発協会過去問を活用して合格を目指しましょう。

物流業界におけるロジスティクスオペレーション

昨今の巣ごもり需要の高まりからEC市場が急速に拡大中です。その受け皿となる物流現場では人手不足が深刻化し、業界全体の課題となっています。

令和3年6月に国土交通省が発表した「物流分野における高度人材の育成・確保に関する調査研究」でも、日本社会のニーズの多様性やEC市場の拡大が影響し、コスト削減とジャストインタイムのロジスティクスはもはや持続不可能と危惧しています。

そこで現状の打開策として期待されているのが、新技術の導入による効率化や省人化です。トラックバース予約システム(※)や商品のピッキングを自動で行う自動倉庫ピッキングシステムなどを活用し人手不足を解消する動きへシフトしています。

※トラックバース予約システムとはトラックの受付や事前予約によりバースの混雑、荷待ち時間を大幅に解消できるシステムのこと

しかし、ここで問題となるのが、ロジスティクスオペレーション(※)を適切に行える管理者が不足していることです。人手不足を解消するために自動化を進めても、全体を管理する者が必ず必要です。

※ロジティクスオペレーション:物流センター内の荷役・保管、流通加工・包装、輸配送管理などの業務

今回の研究結果でも「技術を開発、導入、運用していくことができる、「高度物流人材」の育成と確保が必要」と述べています。

ロジスティクスの現場の管理監督職の力量が重要な今こそ、ロジスティクスオペレーション管理者の育成が重要視されています。ロジスティクスオペレーション資格はその取り組みの1つです。物流センターの責任者として人材を育成するために企業側が推奨している注目の資格なのです。

まとめ

本記事では、ロジスティクスオペレーション資格について解説しました。

資格取得は知識や能力を高めるために有効な手段ですが、ロジスティクスオペレーション資格がないと、物流業界で転職やキャリアアップできないわけではありません。むしろ資格なしで管理者としてバリバリ働く方も多いです。

物流や倉庫に関する業務は、実務経験が求められる仕事ですから実務に触れながら知識や経験を積み上げていくことも重要です。ロジスティクスオペレーション資格は実務経験3年〜5年を想定した内容となっていますので、業界で働きながら資格取得を目指す方法がおすすめです。

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