物流業界は昨今のEC市場拡大に伴い、需要が拡大している業界です。現在、第二新卒で物流業界が気になっている方も多いのではないでしょうか。

物流へのニーズが高まる一方で、慢性的な人材不足が課題となっている業界です。そのため、求人数も多く転職市場では狙い目となっています。

本記事では、物流業界の仕事内容や業界の現状、内定獲得のポイントについて解説していきます。

物流業界は第二新卒の採用に積極的!

昨今のEC活況により需要が高まっている物流業界は、人手不足が深刻化していますので、第二新卒の採用に積極的です。

他の業界よりも採用率が高く、業界自体が安定していること、将来性が高いことから転職市場でも人気があります。

物流の仕事は、倉庫管理、ドライバー、バックオフィス業務、物流営業など業務内容も幅広いため、スキルや希望に合わせて職種を選べるのも魅力。

ポテンシャルの高い第二新卒は、企業からの期待値も高く特に採用されやすくなっていますので、おすすめです。

物流業界の現状

市場規模も需要も拡大している物流業界では、どのような現状と課題があるのでしょうか。

人手不足が深刻

前述した通り、物流業界は深刻な人手不足が問題となっています。ドライバー不足はもちろん、物流センター、物流企業のバックオフィス業務などあらゆる職種で、人手が足りていません。

この状況を改善しなければ、一人が抱える業務負担が重くなり、労働環境が悪化し、退職者が増えるなど悪循環に陥ってしまいます。これでは、市場規模が拡大するEC通販を支えることができません。

そこで物流業界では、人材不足をカバーするため、第二新卒や中途採用、シルバー人材の雇用などを積極的に行っています。

EC利用増加により業務が多頻度小口化

この数年、右肩上がりに成長しているEC市場により、物流業務が多頻度小口化しています。宅配便の個数は増加し、倉庫業務やドライバーの負担も増加傾向にあります。

これまで人の手で行っていたピッキング(商品をピックアップする)やデパレタイズ(パレットから荷物を降ろすこと)にロボットを導入。業務効率や生産性を向上するため倉庫内の自動化ニーズが高まっています。

また、ラストワンマイル(商品をお客さまのもとに届ける配送)の現場では、再配達の増加によるドライバーの負担増加、燃料費のコストアップなどが問題となっています。これを解決するため、宅配ボックスの設置、コンビニでの受け取りも進められています。

さらに次世代物流として、ドローンによる無人宅配・配送ロボットなど、新しい配送形態の実用化に向けた研究に参入する企業も増加中です。

3PL導入により業務範囲が拡大

昨今の3PL(サードパーティー・ロジスティクス)の需要拡大にともない、物流業務の範囲が拡大しています。

3PLとは、物流部門の全体もしくは一部を第三者企業に委託する業務形態を指します。保管や荷役、流通加工、配送、輸出入、などの物流業務をアウトソーシングし、物流全体を最適化することを目的としています。

3PLは、物流企業の新たなビジネスモデルとして市場規模が年々拡大中です。

求人が多様化

前述したように、多頻度小口配送や3PLニーズの高まりによって物流企業の求人が多様化しています。

以前は倉庫作業や管理、バックオフィス業務、ドライバーの募集がメインでしたが、最近では、3PLの提案営業、コンサルティング、物流センターの企画・提案、マネジメント全般などの求人も目立ちます。

第二新卒はもちろん、中途採用の募集も多く、これまでの社会人経験を活かして活躍できる点が魅力です。

物流業界の将来性は抜群

転職するにあたって、「数年後にはリストラがあるかも」「先細りしそうな業界は避けたい」と考える方も多いでしょう。業界の将来性は気になるところです。

その点、社会インフラを担う物流業界の将来性は抜群。物流業界の業務は、宅配など個人に向けたものと、3PLなど法人を対象にしたサービスが実施されています。社会全体で必要な存在ですから、完全になくなるということがありません。

むしろ、高齢化社会やデジタル化が進み、ネットショッピングでの買い物が増えるなどますます需要は高くなると予想されます。

労働環境は改善傾向にある

物流業界といえば、これまで「長時間労働」「重労働」「低賃金」などのイメージがありました。これが人手不足の要因の一つです。しかし最近は、ロボットなど最新機器の導入による省人化や自動化で人的負担を軽減するなど、物流倉庫も進化しています。

長時間労働に関しては、厚労省がトラック運転者の長時間労働是正に向けた取り組みを強化しており、労働時間短縮の進め方を指導しています。

働き方改革関連法の自動車運転業務への適用により、時間外労働時間の上限規制や給与体系や評価基準、各種手当についても見直しを実施。物流業界全体のネガティブなイメージを払拭する給与体系や労働環境の整備が進められています。

物流の主な仕事内容

ここからは物流の主な仕事を紹介していきます。

物流管理職

物流管理職は、物流センターの「ヒト・モノ・お金」を管理する仕事です。まずは、物流センター内で働くスタッフが、安全で快適に仕事ができるように環境を整えることが大切です。

そして、物流センター内に保管されている商品の品質維持・適切な在庫管理・スムーズな出庫を実現させるように管理するのも仕事の一つです。商品は、クライアントからお預かりしている財産ですから、その品質を守るのは物流管理職の重要な役割となります。

また、物流センター内の業務効率化をすすめ、生産性向上やミスの防止などに努め、コストダウンを実現することも物流管理職の役目です。

ドライバー

ドライバーはその名のとおり、トラックで荷物を運ぶ仕事です。ただ荷物を目的地に届けるだけではなく、荷物の積みおろしも行います。

積みおろしは人の手を使って行う場合もあれば、フォークリフトを利用する場合もあります。いずれにしても現場では、ドライバー負担の大きい業務です。

最近では、ドライバーの人的負担や時間ロスを軽減するため、無人フォークリフトの実証実験が行われ自動化が進められています。

参照:トラックの荷積み・荷下ろし自動化へ 三菱重工が実証実験、人的負担や時間ロスの削減目指す

営業

物流営業の仕事は、物流に課題を抱えている企業へ課題解決に向けた提案をする仕事です。物流戦略の策定や物流システムの改善など、物流機能の効率やコストカットを目指し、コンサルティングを行います。

また最近は、物流センターで行われる業務も幅広くなり、物流をアウトソーシングする企業が増えてきました。このような企業へ、自社の物流センターを利用してもらう提案や流通加工・検品業務のアウトソーシングを受注するための営業活動を行うのも業務の1つです。

システム開発

物流業界でのシステム開発の仕事は、物流倉庫内のシステム開発や社内のシステム管理、顧客のニーズに合わせた新しい物流システムの構築などを行います。

どのような開発を行うかは、企業によって異なります。

「週1出社以外はフルリモート」など、働き方の自由度が高い求人も多いのが特徴。これまでの経験やご自身のスキルを活かして働けます。

バックオフィス

バックオフィス業務は、経理や総務、人事、一般事務、営業事務などの仕事です。一般的なバックオフィス業務と変わりません。

物流業界のニーズが高まるにつれ、バックオフィス業務も人手が足りない状況ですから、第二新卒を求める求人も多くなっています。

物流業界への転職で有利になる資格やスキル

物流業界への転職では、必ずしも資格は必要ありません。というのも、配属される部署や職種に合わせて、働きながら取得する方が多いからです。

とはいえ下記のような資格があると、業界の経験がなくても採用で多少有利になります。

  • トラックドライバー希望なら「大型自動車運転免許」
  • 経理事務として働くなら「簿記2級以上」
  • 通関手続きに関わるなら「通関士」
  • 倉庫での保管業務では「消防設備士」
  • 保管・輸送で危険物を扱うなら「危険物取扱者」
  • 倉庫での保管・荷役でニーズが高い「フォークリフト運転技能」

また、下記のようなスキルは採用で人事担当者が注目するポイントです。

  • マネジメント経験あり
  • コミュニケーション能力が高い
  • 突発的なトラブルに冷静に対応できる
  • 体力がある(トラックドライバー・倉庫作業)
  • 国際物流の現場では英語力
  • 営業では分析力・問題解決力・提案力

他にも、物流業界は日々進化していますので、スキルや経験がなくても新しいことに意欲的に取り組む方なら活躍の機会があるはず。

募集職種が幅広いため、自分に合ったものを選び応募してみるといいでしょう。

物流業界への転職を成功させるポイント

物流業界への転職を成功させるポイントは下記の3つです。

①業界研究・企業研究を徹底的に行う

まずはどの業界への転職でも必要ですが、業界研究や企業研究を徹底的に行うことです。業界や企業のことを知らなければ、採用担当者に刺さる志望動機をかけません。

また、入社後のミスマッチを防ぐためにも必要な作業です。業界に抱いていた印象の再認識と理解を深めることができます。業界研究では、企業相互の資本関係・提携関係、業界内での業績推移、将来性などを広く浅くチェックしましょう。

②志望動機を明確にする

次に志望動機を明確にしましょう。志望動機は、どれだけ本気で働きたいと考えているか熱量を伝える重要なポイントです。

企業は、仕事に熱意を持って会社の目標をともに達成してくれる仲間を求めていますから、「なぜその企業ではならないのか」を他社と差別化して伝えましょう。

③仕事で活用できるスキルや経験をアピールする

最後に仕事で活用できるスキルや経験をアピールすることです。入社した後、あなたはどのような経験・スキルを発揮し実績を上げるのかを伝えましょう。

自社で活躍する姿を、企業側にイメージしてもらうことができます。

この際に注意することは、自分の強みと企業が求める人材の接点を探っておくことです。どんなにいいアピールでも、企業が求めるものと合わなければ意味がありません。

そのためにも①の業界・企業研究を徹底的に行い、自分の強みと合う部分をしっかり認識して活用することが大切です。

まとめ

本記事では、第二新卒の転職に最適な物流業界の仕事内容や現状について解説しました。物流業界は、今後も需要拡大と共に成長していく業界です。

将来性があり、なくならない仕事ですから、安心して長く勤めることができるでしょう。仕事内容も幅広く募集求人も多いため、ご自身のスキルや経験を活かして働けます。

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