新型コロナウイルス感染症拡大は、荷主企業や物流企業にも大きな影響を及ぼしました。日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が物流・ロジスティクス関係者へ2020年6月に行ったアンケートでは、荷主企業で41.2%、物流企業で58.2%で大きな変化があったと回答しています。

出典:荷主・物流企業159社が回答「人材・組織の課題解決を最優先/自動化・ロボット化・デジタル化が加速」

業界を取り巻く状況が目まぐるしく変化する中、物流に関わる企業や荷主企業はこれまで以上に物流業務の効率化、生産性の向上、コスト削減の実現が求められています。

実際、コロナ禍に対応して、物流条件を変更した8割以上の企業から効果があったと回答。(出典:アンケート調査結果「新型コロナウイルスの感染拡大による物流・サプライチェーンへの影響」)物流業務を見直すことが経営戦略として機能していることを示しています。

当社では、こうした時代の変化にいち早く対応し、様々な業種業態のお客様の物流をよりうまく機能させるための輸配送統合プロジェクトを提案しています。

輸配送統合とは?

当社の提案する輸配送統合とは、顧客の課題やニーズに合わせて物流システムを再構築し運用することで、コスト削減や業務効率化を図る輸配送の統合プロジェクトのことです。このようなロジスティクスの改革は、会社に利益に直結する重要な部分として改めて注目されています。

例えば、同じ物流会社と契約を結んでいるものの窓口となる支店や営業所が異なり、運賃単価が違っている場合。このケースでは、契約の窓口や出荷元を当社に一本化することで、取引規模を大きくし大口割引などでコストダウンや社員の業務負担軽減を実現します。

また、トラックの積載率の低下でコスト面での課題を抱えるケースでは、共同配送に踏み切ることで、効率化とコスト削減を図ります。

物流の抱える悩みや課題は企業により様々です。当社の輸配送の統合プロジェクトに決まったフォーマットはありません。顧客のニーズに合わせて一つ一つプランニングしていきます。

輸配送統合のメリットを事例で解説

輸配送統合でどのようなメリットを得られるか、当社の事例で解説していきます。

メーカーA社様:元請け化で年間1,000万円超の輸配送費削減に成功

食品メーカーA社様は、中部エリアの2工場で生産した製品を(1)当社営業所→全国十数ヵ所の営業拠点→宅配便または営業マンによる自家配送、(2)共同配送センター→宅配便または共同配送――といったフローで、顧客である小売業の一括物流センターや店舗に納品する物流体制を敷いていました。これではそれぞれの拠点で宅配便の発送業務が発生してしまいます。また、工場から営業拠点、共同配送センターへの貸し切り輸送や路線便も拠点と事業者による個別契約となり、運賃が異なったり、積載率が低かったりと様々な課題を抱えていました。

そこでまず、当社を輸送業務の元請けと位置付けし、当社が宅配便会社や路線便会社、貸し切り輸送会社と運賃契約を交わすことで、ボリュームディスカウントを実現。さらに、営業拠点で行っていた宅配便出荷分の発送作業を当社営業所に一本化することで、A社様業務負担を軽減し、コア業務に専念できる体制を提案しました。

改革後の体制と成果では、元請け化により年間当たり1,000万円超の輸配送費削減に成功。営業拠点での発送業務を廃止したことで、商物分離が進み、社員の業務負荷軽減を実現しました。

当社が窓口となり倉庫業務を運用することで、輸送時間の短縮や保管スペースを削減でき、人件費や省エネ対策としても効果を得られます。

大手メーカーB社様:エリアTCの設置で輸送距離および輸送時間の短縮を実現

もう1つ事例を紹介します。

大手メーカーB社様は、業容の拡大に伴う取扱量の増加によって、在庫拠点や中継拠点が飽和状態となっていたほか、在庫拠点・中継拠点→消費者への輸送動線が伸び、輸配送費用が膨らみ続けているといった課題を抱えていました。

そこで当社から、まず飽和状態を解消するため、在庫拠点・中継拠点の近隣に「エリアTC」を設置することを提案しました。ただし、この「エリアTC」は、常設ではなく、繁忙期など必要な時だけ利用できるフレキシブルな物流拠点という位置付けです。「エリアTC」から需要家への輸送の距離を短くすることが目的でした。

TC(トランスファーセンター)とは在庫を持たない通過型物流センターのことです。在庫機能がなくピッキングや仕分け、荷合わせなどに重点を置いています。

この「エリアTC」の設置で、当該エリアを管轄する在庫拠点の保管スペースを削減できたほか、需要家への輸送距離および輸送時間の短縮を実現しました。

今後は、各種製品との共同配送化や従来は車建てチャーターや距離別で契約していた運賃を、個建てに切り替えることで輸送費削減を目指していく予定です。

富士ロジテックグループ輸配送統合は顧客のニーズに合わせた提案が得意

多頻度小口化への対応や効率の悪い輸配送により、物流コストが増大している問題に対し、物流体制を見直したいと考えても、人員不足や改革への資金負担などが障害となり、なかなか進まないと悩む企業は多いでしょう。

同じ業界でも企業により抱えている問題は異なりますし、最適な解決策も違います。それぞれの顧客に合わせた改革を行わなければ、大幅なコストダウンや効率化は実現できません。

私たち富士ロジテックグループでは、こうした顧客の物流課題に寄り添い、最適な提案ができる会社です。輸配送統合に限らず顧客のニーズに合わせたオーダーメイドの提案力を強みにしています。

ただ決まった型に合わせて仕組み化するのではなく、まず広い視野で顧客の抱える課題や問題点を、的確に把握することから始まります。

現状の状況や潜在的な課題を認識しなければ、顧客にとって一番効率のいい物流改革は見えません。部所や管轄、社内外の枠にとらわれず、川上から川下まで、情報やモノの流れを全体を俯瞰して捉えることで、最適な改革プランを企画・提案しています。

経営戦略の1つとして重要視される物流改革

日本ロジスティクスシステム協会では、2020年1月に小冊子「ロジスティクスコンセプト2030」を発表。その中でも最重要視しているのが、サプライチェーンの再構築です。

しなやかなサプライチェーンをつくることを大切だとしています。

迅速で正確な配送、効率的で無駄のない在庫管理、物流コストの削減や輸送距離の短縮、人員不足の解消など、企業ニーズに合わせて、様々な課題に考慮した物流システムを構築することが必要です。

かつて物流は利益を生まないコストセンターと言われる部門でした。しかし、戦略的に物流を捉え、うまく機能させることで、大幅なコスト削減や生産性向上を実現。大きな利益を生む部門として認識が変化しつつあります。

このような物流改革は、今後さらにニーズが高まって行く事業です。

当社では「物流・商流・情報のオルガナイザー(構築者)」として、ロジスティクスとテクノロジーの融合による物流サービスを展開しています。そしてその営業部門で現在人材を募集中です。

物流改革やサプライチェーンのあらゆる要素に眼を向けたコンサルティングに興味のある方はぜひ当社で働いてみませんか?

従来の物流サービスにとらわれず、自らの手で物流事業を企画設計したい方はぜひご応募ください。

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