製造業はその名の通り、ものをつくることが事業の中心となります。しかし、その過程には原材料の調達や、完成した製品の配達といった物流が必ず発生します。
これまで製造業界では、原材料や資材の物流はそれぞれ独立した工程と捉えられ、異なる事業者に委ねられていました。そのため、無駄なコストの発生や、リードタイムの長期化が課題となっていました。
そこで、原材料調達から生産・販売までを一貫したシステムと捉え、企業間物流の最適化を図る動きが製造業界内で活発化しています。
当社でもこのようなニーズに応えるため、調達物流や生産物流といったサプライチェーンの川上部分を対象にした、ロジスティクス改革の提案・実行に取り組んでいます。
この記事では、当社の調達・生産情報管理について事例を紹介しながら解説していきます。
調達・生産情報管理とは？
調達・生産情報管理とは、取引先である原材料や部品の提供業者、倉庫業者、輸送業者、販売業者などの企業連鎖を最適化し、輸送の共同化や消費者の購買情報を共有することで需要と供給の適正化を図る取り組みです。そのため、過剰在庫やトラックの積載効率の悪化などの課題を解決することに最適といえるでしょう。
調達・生産情報管理は、豊富な物流知識とコスト、労力が必要です。そこで「なにを、どれだけ、どのタイミング届けるか」を戦略的に捉え、物流効果を高める提案と実践を荷主に変わって請け負う、当社のような物流業者のニーズが高まっています。
このように、物流業務の一部または全てを第3者へ委託することを3PL（サードパーティーロジスティクス）と呼びます。
調達・生産情報管理で得られるメリット
調達・生産情報管理で得られるメリットは大きくわけて以下の5つです。
- 需要と供給の適正化による余剰在庫の削減
- リード・タイムの短縮
- 適時適量の商品供給を実現
- トラックの積載率の向上
- 無駄なコストの削減
消費者の購買情報を各社が連携して共有することで、無駄な生産や発注を防ぐことができます。各社が物流を最適化し、輸送を共同化すれば1台のトラックの積載率も上がり物流コストや人件費の削減が可能です。
また、顧客のニーズに合わせて適量を適時供給できますので、機会損失を逃さず顧客満足度も高まるでしょう。
富士ロジテックグループの『調達・生産情報管理』
当社は、ミルクラン（※）など調達する側が主導する輸送の共同化プロジェクトをはじめ、工場構内作業のアウトソーシング化、原材料・部材などの在庫管理および生産ラインへの投入業務といった各種ソリューションを提供しています。
※ミルクランとは巡回集荷のこと。牛乳メーカーが各牧場を巡回して集荷する様になぞらえた輸送方式
ここで1つ事例を紹介しながら、当社の調達・生産情報管理の取り組みを解説します。
照明器具メーカーC様の課題：荷受け業務が煩雑化とトラック積載効率が低いなど
照明器具メーカーＣ社様では、工場での生産・組み立てに必要な原材料や部材、部品などの物流を、各サプライヤーに委ねていました。
そのため、以下のような問題点が生じていました。
- 工場では荷受け業務が煩雑化、サプライヤーが仕立てるトラック１台当たりの積載効率が低下
- 無駄に生じているコストが、納品される原材料や部材、部品の調達価格に反映される
これらの課題を解決すべく、当社から3つの提案をいたしました。
- 出荷拠点の近いサプライヤー同士の輸送の共同化
- 原材料や部材、部品の在庫管理業務の外注化
- 工場構内での運搬業務を対象にした改善活動の展開
その結果、工場までの輸送の共同化を実現し、トラックの積載効率をアップ。無駄なコストを削減することに成功しました。
また、工場への納品トラックの台数を減らすことができたため、工場では荷受け業務が簡素化されました。
在庫管理業務を当社にアウトソーシングしたことで、管理費の変動費化や棚卸精度の向上を実現しました。C様は、コア業務に専念できるようになり、業務効率も向上。構内においては、改善活動を通じて生産ラインへの供給動線の効率化に成功しました。
まとめ
富士ロジテックグループは、「物流・商流・情報のオルガナイザー（構築者）」として、ロジスティクスとテクノロジーの融合による物流サービスを展開しています。
前述のように、調達物流・生産物流の見直しや管理による最適化は大きな成果を生み出します。
当社のような物流企業がこれらの業務を取り仕切ることで、お客様はコア業務に専念できるようになるのです。
当社では現在、広くロジスティクスに関わる人材を募集中です。従来の物流の常識にとらわれず、新しい発想や技術を取り込みながら物流改革に携わりたい方、ぜひ富士ロジテックグループへご応募ください。