近年、新型コロナウイルスの影響により、実店舗販売が中心だった百貨店や路面店がEC通販を強化するケースが増加しています。このような動きに伴い、アパレルに特化した物流倉庫「アパレル物流」のニーズも急拡大しています。

アパレルショップに様々なトレンド商品が並び、アパレル通販で購入した商品がスムーズに手元に届くのは、アパレル物流が機能しているからです。

しかし、アパレル物流でどのような業務が行われているかご存知の方は少ないでしょう。

そこで本記事では、アパレル物流の基礎知識や作業フロー、特徴などを解説します。

アパレル物流とは?

アパレル物流とは、洋服・靴・帽子・バッグなどファッションアイテムを扱う物流のことです。

アパレル商品はシワになったり形が崩れたりしやすく、たためないものや重ねて収納できないものもあります。日焼けや色落ちの対策も必要なため、保管方法には十分注意する必要がある商品となっています。

また、紳士服、婦人服、フォーマルウェア、子供服、インナー、アウターなど様々なジャンルやカテゴリーがあり、色やサイズ、種類も膨大なため、効率的に出荷するための在庫管理や体制づくりが重要です。

さらにアパレル商品は水物(流行に左右される)と言われ商品寿命が短いため、出荷が1週間遅れるだけで機会ロスになることも少なくありません。

そのため大量の商品の品質を保持しながらストックし、オーダーがあればすぐに商品を出荷出来る物流体制はアパレル業界に不可欠です。

アパレル物流は、アパレル業界における情報、流行を先取りし、一丸となって適切に業務を遂行する重要な役割を担っています。

アパレル物流の主な作業フロー 

縫製工場からコンテナやトラックで運ばれてきた商品を荷受してから、消費者・小売店へ配送するまでの一連の業務を担うのがアパレル倉庫です。

アパレル物流の基盤となる倉庫での作業は、入荷・出荷に大別され、細かくは、荷受・検品・保管・補充・ピッキング・出庫に分かれています。その他、適切な在庫管理やタグ付けなどの加工作業も加わります。

商品の数や品質等の検品、所定場所への保管、お客様からの出荷指示による商品のピッキングや加工、梱包など、多くの工程を経てようやく発送となります。

【アパレル倉庫内の作業フロー】

入荷・仕分け 縫製工場から納品された商品を、仕分けする。
検品・検針 納品された商品の縫製確認や危険物混入をチェックする。
ピッキング 注文や在庫調整などの出荷指示に従って商品を集める。
流通加工 ブランド名やサイズなどが記載された札や値札を取り付ける。
包装梱包 商品を適切な袋などに入れる。
発送 出荷指示通り出庫・配送する。
在庫管理 入荷・出荷に合わせて在庫を管理。在庫切れなどが生じないようチェックする。

 

アパレル倉庫で重要な検品・検針

アパレル物流倉庫で重要な業務に検針作業があります。検針とは商品に針が混在していないか確認する作業です。

衣服は肌に直接触れるものですから、検針作業で万が一見落としがあると商品に混入したマチ針やミシン針などでお客様にけがを負わせてしまう恐れがあります。このような事態になればお客様からの信頼を失うだけでなく、賠償責任も問われることになってしまいます。

そこで検針作業では絶対にミスが起きないよう検針器などの機器を使用した慎重なチェックが必要です。

この検品によって、お客様の安全は守られ企業の信頼を保つことができます。これらの作業は自社で行うよりアパレル物流に特化した企業にアウトソースする方が、ミスが減る可能性が高く効率も上がるでしょう。

アパレル物流の特徴

続いて、アパレル物流の特徴を詳しく見ていきましょう。

季節やトレンドに合わせた在庫管理

アパレルは商品のライフサイクルが短く、季節や年単位で売れ筋が異なるため在庫管理が非常に難しくなっています。

売れ行きを見誤ると欠品や過剰在庫の原因となります。また、流行は毎年変わるため、もし商品が売れ残っても翌年に持ち越すことができません。

サイズやカラーなどの違いで求められる流通量も変化します。季節によって売れ筋が異なりますので、トレンドを予測した在庫管理を意識する必要があります。

商品価値が下がらないよう運び方にも気をつける

アパレル製品は、商品ごとに運び方にも気をつけなければなりません。例えば、コートやドレスは、型崩れを防ぐためハンガーにかける、シャツはシワにならないようにするなど、細やかな気配りが必要です。

もしシワや型崩れなどが生じた場合、商品価値が下がってしまいます。特に通販では、届いたらすぐに着たいと考える消費者も多く、シワのある商品が届くとがっかりするはずです。これではクレームや返品の要因となり、顧客満足度も下がってしまうでしょう。

このような事態を防ぐためにも取り扱いに細心の注意を払わなくてはなりません。

アパレルに特化した流通加工

アパレル物流では、検品・検針・タグ付けなどアパレルに特化した流通加工の依頼が多いことも特徴です。検針のためのX線検査、ネームやタグの付け替え、プレスなど、様々な流通加工を施し、商品価値や安全性を向上させています。

これらの作業にはアパレルの知識が必須ですから、代行する物流業者にも専門知識とスキルが求められます。

富士ロジテックグループのアパレル物流

以上のようにアパレル物流では、メーカー・販売店・小売店での「売る」チャンスを逃さないように、融通性と高い作業能力を備えたアパレル倉庫が必要です。

そもそも、アパレル倉庫ではアイテムが多岐にわたることから在庫管理やタグつけ、検品など作業工程も多く、コア業務に支障をきたすなど様々な課題を抱えていました。

そこで近年需要が拡大しているのがアパレル物流をアウトソースする「3PL」や「フルフィルメントサービス」です。この動きは、コロナ禍のEC市場拡大に比例してより一層活発化しています。

このようなニーズの高まりから当社でも、アパレル物流の流通基地としての役割を担う「アパレル倉庫」を多数構え、物流構築〜運営をスムーズに実現する体制を整えています。

また、EC通販事業に必要な倉庫・受注受付などの機能をパッケージ化したフルフィルメントサービスの提供もしています。ブランド戦略・事業戦略に合わせて、通販業務の全てをサポートし、消費者や店舗への安定供給と最適な輸配送ラインの構築が可能です。

【富士ロジテックグループのアパレル倉庫での流通加工実績】

X線検針・検針 タグ付け・タグ外し 品質検査
袋入れ/畳み直し 汚れ落とし 洗濯ネーム付け
ハングアップ アソート

当社のアパレル物流では、商品にRFID(無線を用いてタグの情報を読み取る技術)タグを取り付けています。リーダーを保管棚や入出庫ライン、出入り口ゲートに設置することで、 トラック&トレースによる数量管理を「見える化」するなど、従来のデータ読み取り作業に比べて大幅に労力の削減が可能となりました。

国内アパレルメーカー様と共同でRFIDをサプライチェーンに導入し、DCでの商材管理から店舗での販売まで、効率的な運用を実現しています。

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アパレル物流は販売とは異なる形でファッションに関わる仕事

近年、アパレル物流の需要拡大に伴い、アパレル倉庫での求人も増えてきました。アパレル物流倉庫は、販売とは頃なる形でファッションと関わる仕事です。

当社でもアパレル物流を含む倉庫業務で人材を募集中です。直営店、量販店、EC、アウトレット、卸など様々な店舗形態に対し長年の実績があります。

前述したようにアパレル倉庫では製品の特性や素材に合わせた取り扱いが求められますので、ファッションの知識や経験を活かして働けます。

実際にアパレル倉庫では「服が好き」「EC通販に関わりたい」という思いで入社し、「好き」を活かして活躍している社員も少なくありません。あなたもファッションへの愛情や知識を活かし、一緒にアパレル業界やEC市場を盛り上げていきませんか?

ご興味のある方は、当社富士ロジテックグループの採用特設サイトからご応募ください。

詳しくは当社の採用総合サイトをご覧ください