流通加工は、商品が製造されてから消費者に届くまでの物流において、欠かせない工程です。近年のEC市場の拡大とともに、流通加工を物流業者へアウトソーシングする企業が増えてきました。
このように需要が高まる流通加工ですが、作業は物流センター内で行われるため、具体的な内容やメリットがわからない方も多いでしょう。そもそも、物流センターで加工業務が行われていることに驚かれた方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、流通加工の基礎知識と目的、業務内容、メリットなどを解説していきます。
流通加工とは ?定義や目的を解説
流通加工とは、流通の過程で商品や製品に加工を施す業務をいいます。
流通加工の目的は、消費者やメーカーや販売店などのニーズに合わせて業者のニーズに合わせて加工することで、付加価値をつけ利便性や顧客満足度を高めることです。
主な作業は、商品にプライスタグをつける「値付け」や「箱詰め」、ギフト商品の「セット組み」などです。
メーカーから大きな箱に詰められて送られてきた商品は、そのままでは売りづらい状態です。しかし、流通加工で小さな化粧箱に入れたりセット組みすると小売店で販売しやすくなりますよね。
また、クリスマスやハロウィンなど季節に合わせたラッピングを施すと普通に販売するより消費者の目に止まりやすくなります。
このように流通加工は、商品に付加価値をつける一連の作業を指し、供給の効率化に役立っています。
【様々な流通加工】
貼り | 値札シールやバーコードなどを貼りつける |
丁合い | 種類・量・順番をそろえる |
封緘 | 封筒や袋に封をする |
袋入れ/畳み直し | 洋服を畳み直し袋に入れる |
組立 | 商品の一部を組み立てる |
値付け | プライスタグなどを商品に付ける |
セット組み | ギフト商品の箱詰めや熨斗の貼り付け |
封入 | 説明書やカタログ、カードなど印刷物を入れる |
アウトソーシングのニーズが高まる流通加工
これまで流通加工は製造業や小売業者、小売業者の下請け企業が行っていました。しかし近年では人件費などの問題から、流通加工をアウトソーシングする企業も増えています。
このようなニーズの高まりとともに、物流各社も流通加工を請け負うサービスを積極的に展開するようになりました。
例えば、当サイトを運営する富士ロジテックホールディングスでも、コンテナやトラックで運ばれてきた商品を荷受して「タグ付け・タグ外し」「袋入れ/畳み直し」「洗濯ネーム付け」「汚れ落とし」などの流通加工を行っています。
このように、流通加工を物流業者へアウトソーシングできるようになったことで、メーカー、小売店での作業負担が減り、運送費の削減や人件費のコストカットを実現できるようになりました。
流通加工のメリット
流通加工には下記のように2つのメリットがあります。
商品価値を向上させ顧客の信頼度を得られる
1つ目のメリットは、「商品価値を向上させ顧客の信頼度を得られる」ことです。
先述したように商品をダンボールから出した状態でそのまま販売するより、箱に入れ検品シールが貼られている方が安心感や信頼度が高まりますよね。同じ商品だとしても、流通加工を施すことで商品価値が上がります。
特にネット通販の場合、消費者が商品を手にとって選べないため、届いた商品に検品ミスがあると口コミ評価を下げ、売り上げを左右する事態になりかねません。
しかし、検品をしっかり行い、その証としてパッケージに検品済みシールが貼られていたら安心感がありますよね。このように流通加工は、品質の向上と企業への信頼度を高めることができます。
顧客の作業負担を軽減できる
2つ目のメリットは、「顧客の作業負担を軽減できる」ことです。物流センターで流通加工を行えば、小売店の作業負担を軽減できます。また、組み立てが必要な商品を完成品として売れば、消費者の作業負担も減ります。
このように商品到着後に面倒な作業を省き、商品をすぐに販売したり使用したりできるようにすることが、利便性や顧客満足度の向上につながります。
まとめ
流通加工は商品価値や顧客満足度を高めるために欠かせない業務です。
値札付けやシールの貼り付けなど、世の中に出ている商品のほとんどは流通加工が行われています。このように物流業界の仕事は、様々な商品を消費者に届けるまでの工程を担う、やりがいのある仕事です。
また近年では、EC市場の拡大に比例して飛躍していくと予想されており、将来性のある業界です。
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