近年、「複数の物流拠点を1箇所に集約することでコストを削減したい」といった顧客ニーズが増えてきています。
生産拠点の統廃合や主要取引先の業態変化などを背景に、工場倉庫や地域配送デポ(※)の集約化に取り組む企業も増えてきました。
※地域配送デポとは、小型の配送拠点のこと
とはいえ、災害時のリスク分散を考えると複数拠点を持つべきだという考えも根強くあるのも事実です。
富士ロジテックグループでは、このようなお客様の多様なニーズにお応えすべくサプライチェーン全体にとって最適な改革プランを企画・提案しています。
今回は、需要が増えている物流拠点の集約化について事例を紹介しながら解説します。
拠点集約とは?
拠点集約とは、文字通り複数拠点を1つに集約することです。
物流において複数拠点を設けるということは災害時などのリスクを分散できる反面、デメリットもあります。
例えば在庫管理に手間がかかる、倉庫維持費や人件費などのコストがかかるなどです。
また、1つの拠点で積込む荷物が少なくなるため、横持ち(※)する必要が生じ配送効率が悪化するといったことも考えられます。
拠点を集約することで、コストの削減や配送率の向上を図ることができます。
※横持ちとは他の拠点を経由しながら配送すること。
拠点集約で抱える問題とは
今まで複数の拠点をベースに物流を構築してきた企業にとって、拠点集約を実現するのは容易なことではありません。
各物流拠点からどれだけの荷物が出荷されているかを製品ごとに分析したり、物流拠点間の横もち移動の実態調査が必要です。また、各物流拠点のアイテム別在庫数量、出荷状況や管理について、拠点担当者からの聴き取り調査も重要になります。
これらの調査を通常業務を行いながら自社で進めるのは、困難であることが多いでしょう。そこで当社のような、SC全体の最適化に向けたコンサルティングに対応している物流会社への相談が増加しています。
富士ロジテックグループの拠点集約で得られるメリット
実際に当社で支援させていただいた事例を紹介しながら、拠点集約で得られるメリットを解説します。
大手照明機器メーカーA様の事例
A社様は、日本国内に複数の工場を持ち、さらに各工場の周辺には製品を一時保管するための複数の倉庫を用意していました。
また、北海道から九州まで各ブロックにはエリア倉庫を置き、製品を在庫保管する、といった物流体制を構築していました。
抱える課題:エリア倉庫間での横持ちや管理業務の煩雑
A社様が抱える問題は以下の5つです。
- 倉庫が複数存在するため管理業務が煩雑になる
- 在庫分散により、横持ち転送が発生し配達効率が低下
- 販売機会ロスを避けようと、エリア倉庫の製品在庫が過多になりがち
- 在庫状況が把握できず工場は過剰生産を余儀なくされる
- 拠点が多いため輸送効率が悪い
複数拠点を抱える企業様の多くは、在庫管理を拠点ごとの担当者に任せるため全体的な在庫量の把握が難しくなります。
また、物流拠点が多いほど横持ちが発生し配送効率が低下。ガソリン代やトラックドライバーの賃金等コスト面の負担も増加します。
富士ロジテックグループからの提案
当社サービスの第一歩は、広い視野であらゆる状況を的確に把握することから始まります。
まずは部署や管轄、社内外の枠にとらわれず、川上から川下まで、情報やモノの流れを全体を俯瞰して捉え原因を明確にしておかなければなりません。
調査結果を元に分析した結果、工場周辺に用意していた一時保管用倉庫の廃止、マザーセンターの設置、エリア倉庫の統廃合などを段階的に推進していく改革プロジェクトをご提案いたしました。
改革後の成果:横持ち転送と製品在庫の約6割削減に成功
提案をもとに、工場に隣接するマザーセンターを設置し、既存の一時保管用倉庫を廃止しました。エリア倉庫は全国9カ所から4カ所に削減。
エリア倉庫に製品在庫がない場合は、マザーセンターから顧客へ直送できるようになりました。マザーセンターと需給部門との情報共有化で在庫引き当てなどを実施しました。
その結果、「製品在庫の約6割削減」「生産拠点の一本化でエリア倉庫間の横持ちを削減」「輸送効率・積載効率の向上」を実現出来ました。
拠点集約で物流コストを見直せば企業利益も改善される
物流コストについて課題と捉えている企業は少なくありません。商品の販売が増えれば増えるほど増加するコストですので、常にその効率を重視する必要があります。
また、日々の業務に追われ改善したくてもできない状況や、拠点集約化を検討していても、「どこから手をつけるべきか?」「本当にメリットがあるのか?」といった不安を抱える企業も多いです。
富士ロジテックグループは、現行物流体制の現状分析、改善・改革後のコストシミュレーション、拠点再編、センター運営・配送といったオペレーションの受託までを一括で請け負う3PLサービス(※)を提供しています。
※3PLサービスとは物流拠点を第3者企業に委託すること
国内は関東から九州、海外はロサンゼルスや上海に拠点を持ち、幅広い地域での対応が可能です。
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富士ロジテックグループでは、ロジスティクスの仕組みの変更をコスト削減につなげる、継続的な改善活動に取り組んでいます。現在当社では、企業の命運を握るともいわれる物流事業を、自らの手で企画設計したい人を求めています。
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