経済成長や生活スタイルに合わせて常に進化し続ける物流業界。インターネットや通信販売の躍進により、物流業界のニーズがさらに高まっています。

最近ではITテクノロジーを活用した商品管理や3PLという新しいビジネスモデルの拡大によって、企業の業務効率化やコスト削減に大きく貢献。

コロナ禍において、物流業界の従事者はエッセンシャルワーカーとしても注目を集めています。

物流は就活生の中でも人気があり、毎年多くの学生が志望しています。

しかし実際には「どのような業務・仕事内容があるのかわからない」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、物流業界に就職・転職を考えている方なら知っておきたい、物流業の業務・仕事内容やビジネスモデルについて、わかりやすく解説します。

就活を有利に進めるため、業界理解を深めましょう。

物流業界のビジネスモデル

製造者と消費者の間を取りもち、さまざまな取引を支える物流業は、運送や倉庫の貸し出しが基本的なビジネスモデルです。

生産者や依頼者から輸送や配送を依頼され、その仲介手数料や輸送量、配送料で収益を出します。

しかし、今や物流は単に物を運ぶだけではありません。

近年はAIやloTなどITテクノロジー、ビッグデータを活用した新しいビジネスモデルも進められています。その代表的なものが2000年以降に拡大した3PL(サードパーティロジティクス)です。3PLとは、課題を抱える企業の物流部門を第三者に委託する業務形態を指します。

製造業や卸売業、EC運営企業にとって、倉庫作業や出荷作業は煩雑で負担が大きくコア業務ではありません。より売り上げを伸ばしコア業務に集中するため、倉庫内作業や配送業務を専門性の高い業者へ委託することで、コスト削減、業務の品質向上を実現できるようになりました。

かつて多くの企業で「物流=コストセンター」と言われてきましたが、倉庫業務を物流業者へ委託することで、利益を作り出す部門として見直されています。

このように、近年の物流業界でのビジネスモデルは、システムを活用した在庫・受注管理、出荷前の組み立てや包装・検品・返品作業など、幅広い業務を担う形へ進化を遂げています。

物流業が担う6つの役割と特徴

物流業の役割は大きく6つに分けられるのが一般的です。

この役割を一貫して担うことで、小売業や製造業の物流にかかる人件費やコストを削減し、業務効率を高めることができます。

6つの役割それぞれの特徴を解説します。

保管

商品や原料をできるだけタイムリーに届けるため、必要な場所に一時的に倉庫で保管するのも物流業の役割です。

食料品や医薬品は、商品の品質や価値を維持するため、保冷室や空調機能を備えた専用の物流施設での保管が必要です。

保管した倉庫を物流拠点として効率的に商品を届けるため、送り先別にまとめたり適切な方法で品質を保ちます。

包装

包装や梱包は、物流の過程で商品が破損・傷つくのを防ぐための作業です。

商品をそのままの状態で飛行機やトラック、船に乗せると商品にダメージを与え品質を落とすことになります。

梱包材や包装材で商品や原料を保護し、商品価値を維持することも大切な役割です。

荷役

荷役は、トラックや船舶などの輸送機関へ荷物を積み込み・積み下ろし・運搬する業務です。棚入れや仕分け、ピッキング業務も担います。

荷物の特性に合った場所で、品質を保護しながら保管。入出庫に必要な在庫・商品日付の管理も荷役の仕事です。

輸出入品の通関手続きも含まれます。

流通加工

流通加工は、依頼主のニーズに合わせて「値札付け」「箱詰め」「セット組み」「ラベル貼り」などを行う業務です。ラッピングや衣料品の検品・返品作業も含まれます。

物流センターや倉庫に送られてきた荷物を開封し、バラして包装・袋詰め。

以前は店舗内で行うことが多かったラベル貼りなどの作業を倉庫内で完結できますので、アパレルやECサイト・通信販売企業からの需要が高い業務です。

輸送・配送

輸送は、一次輸送と呼ばれ、商品を物流センターや倉庫などの拠点まで運ぶ業務です。通常は長距離の移動を伴い、移動の手段は、トラック・貨物列車・船舶・飛行機などが用いられます。

そして、拠点から最終目的地(小売店や問屋、消費者)に運ぶ工程が配送です。主にトラックを用いて近距離、複数箇所を移動します。

輸送と配送は同じように捉えがちですが、分けて考えたほうがわかりやすいでしょう。

輸送・配送は物流にかかるコストの約6割を占めていると言われています。ちなみに、よく聞かれる「運送」とはトラックを用いた輸送・配送のことです。

混合しやすいため、それぞれの言葉の意味をよく理解しておきましょう。

情報処理

情報処理は、以下のような業務を指します。

輸送中の荷物の追跡
輸送経路の確認
温度・湿度・衝撃などの状況を記録・管理
賞味期限などの日付・作業管理
入出庫時の在庫数
ビッグデータ化し分析すれば、輸送ルートの最適化や品質向上につながります。

物流系の管理システムは、物流会社が独自に開発したものやIT企業から提供されているものが多いです。蓄積されたデータを解析することで、輸送・配送・管理状況の効率化を図れます。

一般的な物流業のフロー

次に先述した物流業の役割をもとに、一般的な業務フローを解説します。

物流業界の職種と仕事内容

最後に、物流業界の職種は主に4つに分かれます。

それぞれの仕事内容をチェックしておきましょう。

営業

営業では、主に物流・倉庫・配送などに課題を抱えている法人を対象に、自社の物流サービスを提案します。企業が抱える多種多様な問題の解決策を考え、効率的な物流システムを設計する仕事です。

また、既存顧客の課題や要望をヒアリングしてフォローするのも営業の仕事。契約をとったら終わりではなく長く顧客と付き合って信頼関係を築いていきます。

物流会社の強みや特徴を活かし、顧客の悩みを解決するための仕事ですから、充実感を得られるでしょう。一方で、数字で成果が現れますのでシビアな職種でもあります。

ガッツがあり人付き合いが得意、悩みや課題を解決することが好きな方に適しています。

営業と聞くと外回りの多い仕事に思えますが、最近はWebを使った集客も増えてきました。SNSやWeb広告運用なども営業活動の1つです。

管理・オペレーション

荷物の入荷・保管・出荷から配達手配、配送スケジュールの調整や人員配置など、管理・オペレーションも物流にとって不可欠な仕事です。

預かった荷物を適切に保管し、正しい方法で梱包、仕分け、ピッキングを行い目的地へ安全に届けるために輸送ルートの選択なども行います。

最近は、AIやloTを活用した自動化が進み、コスト削減や従業員の負担軽減を図られている部門です。

ドライバー

ドライバーは、実際に荷物を運ぶ作業員のことです。一般的に、陸運のトラックドライバーを指します。長距離や近距離など、請け負う距離により業務内容が異なります。

近距離の場合は、担当エリアが決まっていることが多く、最近では電動自転車や台車で配達をすることも増えてきました。

長距離はご存知の通り、県をまたいで国内を走るまさに物流の要となる部分です。荷物を運ぶだけではなく、倉庫での積み下ろしも業務に含まれます。

人事・総務・経理などのバックオフィス業務

人事・総務・経理などのバックオフィス業務は、どの業界でも必要な職種です。直接利益を生む仕事ではありませんが、企業活動を続けるためになくてはならない存在です。

特に、物流業界では慢性的な人手不足が大きな課題になっていますので、採用活動に関わる人事は重要な役割を担っています。

新卒者向けの会社説明会の開催や学生のフォロー、中途採用、人材育成などのほか、給与計算や各種手当の計算などを行います。

経理は決算書を作成するために、日々の会計管理や経費の精算をする仕事です。

総務はオフィスの備品管理や社内規定の整備を行います。データ入力や来客・電話対応を行う事務と兼任している場合も少なくありません。

物流業界は将来性がありやりがいのある仕事です

昨今、「AIが仕事を奪う時代」と言われています。しかし、物流はどうでしょうか。巣ごもり需要の影響で、ネットショッピングの利用者が急増、荷物が急激に増加し、ますます人の手が必要となっています。今後さらに需要が高まる注目の業界です。

物流業と聞けば、体力仕事のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、今の物流業界とはマッチしません。ITやAIを活用した新しいテクノロジーで社会のインフラを支える業界へと進化を続けています。

食品や衣料品、医薬品など、多くの人の暮らしを支える産業の1つですから、社会貢献や達成感、充実感を味わえるやりがいのある仕事です。

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