フォークリフトは物流倉庫内でものを運んだり、港湾業務などで活用されるマテハン機器(※)の1つです。

高所に保管されている荷物や重量のある荷物を効率よく移動させるため、フォークリフトは多くの物流倉庫で活用されています。

フォークリフトを運転するには、運転資格「フォークリフト運転技能者」が必要です。本記事では、フォークリフトの運転資格の取得方法や費用、合格率を紹介し、物流業界におけるフォークリフト運転技能者の必要性や役割について解説していきます。

「フォークリフト運転技能者」の取得を検討中の方はぜひチェックしてみてください。

※マテハン機器とは…マテハン機器とは、マテリアル・ハンドリング機器の略で、モノの移動を効率的に行うことを目的に開発された機器のこと

フォークリフト運転技能者とは? 

「フォークリフト運転技能者」とは、最大積載荷重1トン以上のフォークリフトを運転するために取得する必要のある国家資格のことです。

車を運転するのに免許が必要なように、フォークリフトで作業するには専用資格が必須です。物流業だけではなく、大きな荷物を運ぶ必要が生じる様々な場所で、この資格は活躍するでしょう。

「自動車の運転免許があれば運転できるのでは?」と考える方もいますが、自動車の運転免許だけではフォークリフトは運転できません。

講習を受講し、フォークリフトを安全に運転し作業するための技術を学ばなければ、大事故につながります。自動車免許とフォークリフトの免許は全く別のものと考えましょう。

フォークリフトの免許は、最大積載荷重量が1トンか1トン未満かで資格が異なります。

  • 最大積載荷重量が1トン未満…フォークリフト運転特別教育修了証
  • 最大積載荷重量が1トン以上…フォークリフト運転技能講習修了証

どちらも名前が似ていますので間違えやすいのですが、別の資格です。

フォークリフトを無資格で運転・作業すると、労働安全衛生法第61条に基づいた罰則(「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」)が科されます。

フォークリフト運転技能の取得方法と難易度

フォークリフト運転技能は、労働安全衛生法に基づく運転技能講習を修了し試験に合格することが義務づけられています。

国家資格ですが、取得難易度はそう難しくはありません。学科と実技の講習を受けたあと、フォークリフト運転技能講習修了証が発行されれば、免許を取得したことになります。

免許は最短で2日、最高でも5日ほどで取得可能です。講習は、各都道府県の労働局長に登録を受けた教習所または、各事業所で行われています。

あらかじめ保有している免許や資格によって運転技能講習が免除され、修了証取得までの日数や費用が変わりますので、よく確認しておきましょう。

保有している免許や実務経験
講習時間
・大型特殊免許(カタピラ限定を除く)所有者

・普通、準中型、中型、大型、大型特殊(限定あり)免許有り小型フォークリフト特別教育修了後、最大荷重が1t未満のフォークリフトの業務経験が3ヶ月以上ある

11時間       
小型フォークリフト特別教育修了後、最大荷重が1t未満のフォークリフトの業務経験が6ヶ月以上ある
15時間
普通、準中型、中型、大型、大型特殊(限定あり)免許所有者
31時間
上記いずれも該当しない場合
35時間

取得費用は20,000円〜40,000円程度です。

大型特殊免許を持っているか、普通・大型免許があり、小型フォークリフトの実務経験が3ヶ月ある場合は11時間の講習を受けるだけで取得できます。

いずれの条件に当てはまらなくても、合計35時間の講習を受講すれば取得できる免許です。土日の講習を利用すれば、お仕事しながらでも取得できます。

しかも、一度取得してしまえば更新の必要がない免許です。

物流業界におけるフォークリフト運転技能者の必要性や役割

フォークリフトは物流倉庫の作業を効率的に進めるために必要なマテハン機器です。特に、荷物の積み下ろしや、パレット単位のピッキング(※)はフォークリフトが不可欠です。

※ピッキングとは倉庫内に保管した商品の中から出荷指示のあったものを集める作業

物流センターでは、パレットと呼ばれる木製やプラスチック製、アルミニウム製などの荷物を単位数量にまとめて載せる台を使用します。パレットに荷物を置くことで、荷物の汚れや破損を防ぐことができます。

パレットごとフォークリフトで運ぶことで、人が手で運ぶより一度に多くの荷物を移動させることが可能です。

※画像の水色の台がパレット

物流センターで目にするフォークリフトには、主に3つの種類があります。

種類 特徴
カウンターバランスタイプ       最も一般的なフォークリフト。車体の中央に座り2本の爪の幅を左右に動かすことで、サイズの違うパレットにも対応。
リーチタイプ 小回りが利くため、狭い倉庫内でも活躍。物流センターの通路を狭くできるため、保管効率も上がる。ハイマスト(※)をつけることで7mの高さまで届く。
ピッキングタイプ 爪と運転席の間に人が立てる。高い場所に保管している貨物を乗ったまま取りにいくことができる。

※ハイマストとは…スタンダードな物より荷物を高く揚げることができるフォークリフトの先端についている爪部分を支える支柱のこと。

フォークリフトを活用することで、時間短縮につながり物流倉庫内の業務を効率化できます。その結果、人件費削減や荷物の品質を保持できるなどの効果も得られます。

高い場所のピッキングやトラックに積み込む際にも、なくてはならない機器です。

フォークリフトオペレーターの魅力

フォークリフトを運転する人をフォークリフトオペレーターと呼びます。フォークリフト運転技能を取得するメリットは、求人数が多いことです。

先ほどもお伝えした通り、フォークリフト運転技能を必要とする現場は多く、さまざまな業界で高い需要があります。また、年齢や性別を問わず取得することができます。

以前に比べ、フォークリフトを運転する女性も増加しています。企業内で資格取得をサポートしている会社もあるため、おすすめです。

さらに、軽作業スタッフより賃金が高いことが多いことも魅力です。

物流業界に入社するにはフォークリフト運転技能は必要?

フォークリフト運転技能は、就業のチャンスが広がりメリットも大きい資格です。どの業種でも需要が高いため、実務経験がなくても採用される可能性が高まります。

物流業界へ入社したい方は、フォークリフト運転技能があれば有利になります。しかし、必ずしも資格は必要ありません。

物流業界と一口で言っても業務内容は幅広く、フォークリフトを必要としないものも多くあります。

フォークリフトの運転技能を取得するのか迷っている方は、まずは働いてみてから考えてみるのもおすすめです。

物流業界へ興味がある方は、ぜひ当社の総合採用サイトをチェックしてみてください。

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