物流業界は、ネット通販の市場拡大に比例して需要が高まっている業界です。人手不足のため、転職市場では過去最高の売り手市場となっています。
求人の数も多いため、物流業界が気になっている転職希望者も多いのではないでしょうか。
とはいえ、「業界未経験者でも転職できる?」「資格は必要?」など不安もありますよね。
結論からお伝えすると、未経験でも転職可能です。当社でも、異業種からの転職者が、これまでのスキルや経験を活かして活躍しています。
本記事では、物流業界は未経験でも可能かについて、仕事別の解説と業界の展望、向いている人の特徴などを紹介していきます。
物流業界への転職は未経験でも可能?
冒頭でもお伝えしたとおり、物流業界は未経験でも転職可能です。そもそも、物流はどんな仕事にも関わっている業界なのです。
例えば、飲食業界でも、美容業界でも、原材料や商品など必要なものを運ぶのは物流です。
また、不動産業界での物件の管理や維持に関する仕事は、倉庫管理と通ずるものがあるでしょう。工場での勤務で培ってきた経験も、物流倉庫内での仕事に活かせます。
当社の物流倉庫で扱う貨物は、アパレルから美容・医療、食品、精密機械など多岐に渡っています。
異業種だから、未経験だから、と不安になるかもしれませんが、物流は私たちの生活・様々な仕事と密接に関わっていますから、異業種での勤務経験を活かしてぜひ活躍していただきたいと思います。
物流の主な仕事
ここからは物流の主な仕事を紹介しながら、「未経験者が転職可能か」について解説していきます。
物流管理
物流管理とは、物流倉庫で人やモノの流れを管理する仕事です。
物流倉庫内では、社員、アルバイト・パート、派遣社員など色々な雇用形態の人が働いています。人数の多い倉庫になれば、100名を超えることも珍しくありません。
倉庫内で働く人々が安全、快適に働けるように整備・管理するのが、物流管理の仕事の1つです。
また、顧客からお預かりした商品の管理方法を考え、荷主からの指示通りに誤出荷なく配送できる仕組みを整えることも、業務内容に含まれます。
作業効率、生産性を上げるための施策を練り、実行するのが物流管理の仕事です。
物流倉庫で保管する貨物の品質を管理する上では、「マネジメント能力」、「調整スキル」、「交渉スキル」が必要ですから、前職でこのような実績や成果をあげている方なら、未経験者からでも転職可能です。
20代はもちろん、30代〜40代のミドル世代も多く活躍しています。
ドライバー
ドライバーは、物流業界の中でも人手不足が深刻な職種です。
トラックドライバーと一口にいっても、大型・中型・小型のトラックでは業務内容が異なります。大型は主に長距離を走行し、中型・小型はルート配送や宅配がメインです。
ハードな仕事というイメージがありますが、今後長時間労働はより厳しく規制される流れにあり、自動運転なども検討されています。
未経験の場合、最初は先輩社員が添乗し、仕事に慣れるまでサポートがありますから、安心です。基本的に一人の時間が多く裁量が大きいので、自己管理能力が高く安全運転を心がけることができる方に向いています。
「クロージングやプレゼンが苦手」「パソコンに向う仕事に向いていない」という方にもおすすめです。
営業
物流業界での営業職は、自社の物流に課題を抱えているお客様へ問題解決の企画・提案を行います。
例えば、「物流コストが負荷になっている」というお客様へ、コスト削減のために物流機能の外部委託などを提案し、長期的なコスト削減のためのお手伝いをします。
また、自社の倉庫スペースを貸し出すための営業活動も欠かせない仕事です。電話営業で新規顧客を獲得するなど、企業によってさまざまな形で営業活動を行います。
求人を見ても未経験者を募集するものが多く、スキルより熱意を重視する企業も多いです。
営業職の経験がない場合でも、コミュニケーション能力や問題解決力があり、クライアントの立場で物事を考えられる人でしたら向いているでしょう。「自社の魅力をうまく伝えることができる人」や「人と接するのが好きな方」におすすめです。
ロジスティクスやフルフィルメントサービスなど、新たな事業フィールドに興味のある方には、面白さややりがいを感じられる職種です。
バックオフィス
物流企業を支えるバックオフィス業務も、転職市場で求人の多い職種です。経理や総務、人事など、前職の経験を活かして働けます。
基本的にオフィス勤務で、現在はリモートワークを取り入れている企業も多いです。
未経験者でも、徐々に仕事を覚えていく形を取りますから問題ありません。エクセルやワード、パワーポイントを使える方、簿記2級を取得している方は歓迎されます。
物流業界の現状と展望
次に、物流業界の現状と展望について解説します。
将来性は抜群
物流業界は、今後著しく成長する業界の一つと予測されています。
新型コロナウイルスの影響から、自宅で過ごす時間が長くなり、買い物を通販で済ませる人も多くなりました。こうしたネット通販市場の需要拡大と比例し、物流業界の需要は今後もどんどん高まっていくでしょう。
転職市場では求人数も多く、将来性と安定感が抜群の業界です。
人手不足
前述したように、物流業界は人手不足が進んでいます。物流需要の増加から、トラックドライバーだけではなく、バックオフィス業務や倉庫管理職でも人手が足りていません。
ネット通販による小口多頻度化の影響から個人宅への配送が多くなり、業務量も増加しています。それを補う人材が必要ですが、足りていない状態なのです。
ですから、転職市場では比較的好条件の求人を見つけることができるはずです。
物流業界に関して、労働環境が悪い、長時間労働などのイメージも残っていますが、現在の物流業界は比較的福利厚生が整っており、土日休み、残業時間も業種によるなど、「思ったよりも働きやすい」という声も少なくありません。
求人の多様化
物流業界は、単にモノを運ぶだけではありません。確かに輸送活動は物流の中心的な仕事ではありますが、輸送に関連した「保管」「荷役」「包装・流通加工」「在庫管理」などの役割も担っています。
そのため、トラックドライバーや倉庫作業に特化した求人だけではなく、物流課題を解決するコンサルタントや営業、倉庫管理職など、求人も多様化しています。
これまで流には縁がないと思われていた異業種の方でも、実績や経験を活かした活躍が期待されています。
物流業界の年齢構成~30代以降+未経験の転職も可能!~
物流業界への転職を検討中の方で、「30代未経験でも採用されるだろうか」「入社してうまく仕事を進めていけるだろうか」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、物流業界は求人も多様化しており、業界自体も進化していますから、未経験の転職も問題ありません。他の業界より門戸が広く、多くの企業が、30代、40代の中途採用に積極的です。
全く違う業界からの転職も、成功しやすいという特徴があります。
社会人経験を積んだ30代は、即戦力として期待される年代ですから、ご自分のスキルや能力をアピールして採用につなげましょう。
物流業界への転職に向いている人
物流業界への転職に向いている人の特徴は下記の6つです。
- 人をサポートするのが好き
- ITや最新技術に興味がある
- 柔軟性がある
- 人とコミュニケーションを取るのが好き
- 作業員やドライバー職なら体力に自信がある
- 正確にスピード感を持って仕事できる
まず物流業界全体でいえることですが、物流は人々の生活や経済を支える、縁の下の力持ち的な存在です。社会を支える使命感がある人や、誰かをサポートするのが好きな人な人は向いています。
また、物流業界では「事故による渋滞でトラックの到着が遅れる」「入荷するはずだった商品が届かない」などのトラブルも発生します。その都度状況を見ながら冷静に対応できる柔軟性がある人も適しています。
経理や人事などのバックオフィス業務では、業務量が多いため事務処理のスピードが早く正確な人が重宝されます。
物流業界への転職で有利になる資格
物流業界の転職に、資格は必ずしも必要ではありません。しかし、取得しておくと採用に有利になる資格もありますから、いくつか紹介します。
現場系で有利になる資格
倉庫やトラックドライバーなど現場で有利になる資格は下記の4つです。
上記の中でも取得難易度が低く、早く取れるものは「フォークリフト運転技能」です。
各都道府県で実施されているフォークリフト運転技能講習を受講し、試験に合格すれば取得できます。合格率は90%と非常に高い上、手堅いニーズがありますからおすすめです。
管理系で有利になる資格
物流倉庫の管理系の職種で有利になる資格は下記の3つです。
「運行管理者」は、トラック及びドライバーなどの、事業用自動車を管理する資格です。ドライバーによる事故の防止のために、労働時間の管理や休憩の管理、健康状態の確認などを行います。
基礎講習を受ければ、実務経験がなくても試験を受けられますから、倉庫管理者としてキャリアアップを目指す方におすすめです。
「通関士」は、輸出入申告書を作成し、税関に対し申告することができる国家資格です。合格率は10~15%と難易度が高いため、持っていると就職に有利になることがあります。
「物流技術管理士」は、物流・ロジスティクスのスペシャリストとして物流現場の課題を改善するスキルを身につけられる資格です。物流実務2年程度の知識が必要ですから、物流業界での実務経験をもつ転職者におすすめです。
物流業界への転職を成功させる3つのコツ
最後に、物流業界への転職を成功させるコツを3つご紹介します。
志望動機を明確にする
まず1つ目は、「志望動機を明確にする」ことです。
物流業界の企業はたくさんあります。どの企業でも中途採用に積極的ですから、求人数も多いです。そんな中、「どうしてその企業を選んだのか」という部分は、採用担当者が重視する点です。
物流の企業で働きたい理由だけではなく、どうしてその企業で働きたいのか、どこに魅力を感じたのか、動機を明確にして伝えましょう。
また、その企業に入りどう貢献できるのか、これまでの経験を通じて何を実現したいのかなどを書ければ好印象です。
求人数が多いことは採用担当者も熟知していますから、「たくさん応募している中の1つです」という印象になってしまうと、人手不足の業界だとしても採用されません。
物流の仕事に活かせる経験やスキルをアピールする
2つ目は「物流の仕事に活かせる経験やスキルをアピールする」ことです。
業界未経験の方は、現職の中で培ってきたスキルや積み上げてきた経験を、物流業界でどう活かせるのか伝えることが大切です。
例えば販売職だったとしても、店長経験があればマネジメント能力をアピールできますし、金融や不動産営業の場合も、高単価の商材の営業経験が武器になります。
応募先企業が取り扱う商品や特徴を洗い出した上で、自分が入社して貢献できるポイントを伝えましょう。
イレギュラーへの対応力もアピールできると◎
物流業界は、イレギュラーな対応を求められる機会が非常に多いです。
前述したように、渋滞によるトラックの遅延や工場の生産遅れなど、日々突発的に起こる問題に冷静に対応しなければなりません。
状況に応じて臨機応変な判断ができることをアピールすると評価されやすいでしょう。
まとめ
本記事では、未経験者が物流業界へ転職するための情報をまとめてお伝えしました。
物流業界はさまざまな職種で人手不足となっていますので、未経験者でも転職しやすくなっています。
今後も需要がどんどん高まることが予測されている業界で、将来性・安定性は抜群。異業種からの転職でも、これまでの知識や経験を生かして活躍することができます。
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